著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

便秘の薬で腎機能低下が予防できる? 慢性腎臓病150人対象の研究

公開日: 更新日:

 慢性腎臓病は高血圧や糖尿病など、さまざまな原因により腎臓の働きが低下する病気です。初期には特に症状がないため、知らないうちに進行して、だるさやむくみなどの症状が出る時には、もう治療が難しい状態になっていることも多いのです。

 腎臓病と関連が深い症状が便秘です。腎機能が低下すると、腎臓から排泄されない老廃物の影響などで腸内細菌のバランスが崩れ、便秘になりやすいと考えられています。その便秘が老廃物の排泄をさらに低下させるので、腎臓への負担も増えて腎機能の低下も進みやすい、という悪循環になるのです。ただ、便秘薬の中には腎機能が低下すると使えない薬もあり、治療が難しいという問題もあります。

 安全に使用できて、腎機能の低下にも悪影響を及ぼさないような便秘薬はないのでしょうか?

 2025年の「サイエンスアドバンス」という科学誌に、日本の研究者による診療試験の結果をまとめた論文が掲載されています。

 腸の水分量を増やす働きを持つ「ルビプロストン」という便秘薬の効果を、腎機能が中等度以上に低下した慢性腎臓病の患者さん150人を対象として検証したところ、便秘薬を使用すると腸内細菌のバランスが改善し、腎機能低下の進行が緩やかになる、という効果が確認されました。

 これはまだ臨床試験の段階ですが、便秘薬で腎機能低下が予防できるかもしれません。

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