腹が立つ情報ほどSNSで容易に拡散…2025年の言葉「レイジ・ベイト(怒りの罠)」
先日ケンブリッジ辞典が選んだ今年の言葉「パラソーシャル」を紹介しましたが、続いてオックスフォード大学が選ぶ2025年の言葉「レイジ・ベイト(怒りの罠)」が反響を呼んでいます。
レイジ・ベイト(Rage Bait)とは、その名の通り「怒り」を餌にして人の注意を引き、感情を揺さぶり、行動や思考をコントロールすることを目的に設計されたコンテンツや言動のことです。
その範囲は想像以上に広く、政治家の炎上発言から、ディープフェイクによるセレブリティ動画まで、「腹が立つ」「反論したくなる」という衝動を引き起こすものは、すべてレイジ・ベイトになり得ます。
SNS上では、怒りは最も拡散力の強い感情です。怒りはシェアされ、アルゴリズムに拾われ、増幅される。その結果、情報が真実か虚偽かに関係なく拡散し、信じる側と否定する側のあいだに大きな溝が生まれていく。レイジ・ベイトは、分断を量産する「装置」でもあります。
その典型的な例が、2024年の米大統領選でトランプ大統領が口にした「移民が犬や猫を食べている」という発言です。「そんな行為は許せない」と怒る人と、「完全な嘘だ」と憤る人、正反対の立場の怒りが同時にネットに噴出し、さらなる分断を深めていったのは記憶に新しいところです。
オックスフォード辞典は2025年を「AIの普及によって、人類がさらに変容した年」と位置づけています。ディープフェイク有名人、AI生成インフルエンサー、バーチャルコンパニオン……。テクノロジーは、私たちの思考だけでなく、感情そのものに深く入り込み始めています。


















