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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

腹が立つ情報ほどSNSで容易に拡散…2025年の言葉「レイジ・ベイト(怒りの罠)」

公開日: 更新日:

 先日ケンブリッジ辞典が選んだ今年の言葉「パラソーシャル」を紹介しましたが、続いてオックスフォード大学が選ぶ2025年の言葉「レイジ・ベイト(怒りの罠)」が反響を呼んでいます。

 レイジ・ベイト(Rage Bait)とは、その名の通り「怒り」を餌にして人の注意を引き、感情を揺さぶり、行動や思考をコントロールすることを目的に設計されたコンテンツや言動のことです。

 その範囲は想像以上に広く、政治家の炎上発言から、ディープフェイクによるセレブリティ動画まで、「腹が立つ」「反論したくなる」という衝動を引き起こすものは、すべてレイジ・ベイトになり得ます。

 SNS上では、怒りは最も拡散力の強い感情です。怒りはシェアされ、アルゴリズムに拾われ、増幅される。その結果、情報が真実か虚偽かに関係なく拡散し、信じる側と否定する側のあいだに大きな溝が生まれていく。レイジ・ベイトは、分断を量産する「装置」でもあります。

 その典型的な例が、2024年の米大統領選でトランプ大統領が口にした「移民が犬や猫を食べている」という発言です。「そんな行為は許せない」と怒る人と、「完全な嘘だ」と憤る人、正反対の立場の怒りが同時にネットに噴出し、さらなる分断を深めていったのは記憶に新しいところです。

オックスフォード辞典は2025年を「AIの普及によって、人類がさらに変容した年」と位置づけています。ディープフェイク有名人、AI生成インフルエンサー、バーチャルコンパニオン……。テクノロジーは、私たちの思考だけでなく、感情そのものに深く入り込み始めています。

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