ジャーナリストの佐々木俊尚さん語る聴神経腫瘍と潰瘍性大腸炎との苦闘

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佐々木俊尚さん(ジャーナリスト/64歳)=聴神経腫瘍・潰瘍性大腸炎

 1998年のある日、突然右耳が聞こえなくなりました。今もまったく聞こえていません。

 左耳は聞こえるので普通に生活できますが、「片耳失聴」って面倒なんですよ。右側から声をかけられても気づかないことがあって、私の無反応にきょとんとされたりします。だからといって、前もっていちいち耳のことを話すこともないので、誤解を招いているかもしれません。

 初めは突発性難聴と診断されて1週間入院して、大量のステロイド投与が行われました。それによっていったん聞こえるようになったのですが、念のためにMRIを撮ってみたら、脳にピンポン玉大の「聴神経腫瘍」が見つかったのです。

 放置すると大きくなり、いずれ脳幹を圧迫してほかの障害が出る可能性があるとのことで、早々に開頭手術になりました。

 手術は8時間に及びました。聴神経は顔の神経に近いので、少しでも手元が狂えば顔が動かなくなってしまう。「顔の神経を傷つけないように聴神経だけを取ることが大変だった」と後から先生にうかがいました。

 聴神経を取ってしまった右耳は、テレビの“砂嵐”(アナログ時代のテレビノイズ)のように常にザーザーした音が頭に響いて、数年間はずいぶんイライラしました。今は意識しなければ気になりませんけど……。

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