“3人の妻”が顔を揃えた 萬屋錦之介の葬儀

公開日: 更新日:

<1997年3月>

 3月10日、午後2時41分、大物俳優が千葉県柏市の国立がんセンター東病院で息を引き取った。この俳優は萬屋錦之介。同7日から危篤状態が続き、妻で宝塚の男役トップスターだった甲にしき(当時54)ら親族が毎日枕元で励まし続けたがその願いはかなわなかった。

 萬屋が喉に不調を訴えたのは前年春。同センターで診察を受けると中咽頭がんと判明した。これで97年に放送予定だったNHKの大河ドラマ「毛利元就」の尼子経久役も決まっていたが、降板を余儀なくされた。6月27日に入院。7月18日にはへんとうと舌の半分を切除する手術を受けた。この手術で萬屋は声が出なくなり、普段の会話は筆談。食事も流動食しか口にできない状況だった。

 そんな中、もう一度舞台に立ちたいと、懸命に舌を動かし、声を出すトレーニングに取り組んでいたという。経過も良好で97年2月21日には一時退院が許されるほどに。
 だが、25日、突然、高熱に襲われる。肺炎だった。長い闘病生活で抵抗力が落ちていたこともあって、結局、そのまま帰らぬ人となった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因