「これからの死に方 葬送はどこまで自由か」橳島次郎著

公開日: 更新日:

 生命倫理の専門家が、社会の変化とともに多様化する日本人の葬送について考察したテキスト。

 かつては、親族と近隣による共同体的人間関係が死を送る習俗を担っていたが、業者に任せるようになり、古い習俗は簡略化され、現在の慣習的な葬式が定着した。90年代になると火葬され墓に入るという一般化した葬法に疑問を抱き、海や山への散骨などの自然葬を求める活動が始まり、これらが市民権を得るようになった。

 一方で、現在も土葬は可能なのかとか、堆肥となって自然にかえるフリーズドライ葬などの新しい弔い方も紹介。安楽死といった死の迎え方から葬送の方法まで、現代人はどこまで死に関して自由が認められるのかを論じていく。(平凡社 760円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ