「『ル・モンド』から世界を読む」 加藤晴久著

公開日: 更新日:

 敗戦60周年の夏、フランスのテレビが、サイパン島陥落の際、米軍が説得工作で多くの日本人を救ったことを紹介した。「ル・モンド」では仏独共同経営のチャンネルが放送したドキュメンタリーを推奨している。

 第1部では、マッカーサーの前で、重光外相と南京大虐殺の責任を問われた梅津参謀総長が降伏文書に調印している。第2部では「戦時の歳月を沈黙の地中に埋めて再建に邁進する日本」を描く。日本人の忘れてはならない歴史を描いたドキュメンタリーをフランス人が見ている。日本のメディアも私たちを啓蒙する責任を果たしてほしいと著者は言う。

 日本ではほとんど報道されない「ル・モンド」の記事を紹介。(藤原書店 3200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性