「クレオ」ヘレン・ブラウン著、服部京子訳
レナの家で黒い子猫を見た長男のサムは、誕生日のプレゼントにこの猫が欲しいと言った。子猫が大きくなる2月の中旬にもらうことになったが、その前にサムが車にひかれて死んだ。まだ9歳だった。悲しみを抱え込んでいたとき、レナが子猫を連れてやってきた。猫なんて飼えないと思ったのに、次男のロブが言った「ようこそ、クレオ」。そしてクレオが獲物を狙うライオンのようにお尻を左右に振ってゴムの木に突進し、葉っぱに噛みついた時、「わたし」とロブは笑い声を立てた。数週間ぶりの笑いだった。
息子を亡くした母が生活に子猫が入ってきたことで立ち直っていく姿を描いたノンフィクション。(A&F 1800円+税)