「愛しの富士そば」鈴木弘毅著

公開日: 更新日:

 著者は、小学生時代からひとりで暖簾をくぐるほどの無類の駅そば、立ち食いそば好き。その著者が立ち食いそば・うどんチェーン店の大手「名代 富士そば」全国116店の実食をし、その成果をまとめ上げたのが本書。

 立ち食いそばなんて、どこで食べても同じだろうと思ってしまいがちだが、富士そばは、ベースメニューや期間限定メニューを除いて、基本的に各店舗のメニューは店長が独自に決めており、その結果、店舗ごとにメニューがバラバラとなる。本書に登場するのは、しめじ生姜そば、肉しゃぶそば、鶏ねぎそば、ポパイそば、とろ玉ゆずほうれん草そば、トルネードポテトそば、ブレーメンそば、葉大根そぼろそば、辛唐そば……といった個性的なメニュー。その他、各種のうどん、ラーメン、丼物なども紹介され、メニューの豊富さをうかがわせる。

 実食リポ以外にも、富士そばの歴史、だしや製麺の秘密に迫り、24時間密着取材を敢行し、海外支店にも出掛けていくなど、まさに富士そばに関する百科全書。(洋泉社 1300円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い