「幕末武士の京都グルメ日記」山村竜也著

公開日: 更新日:

 明治維新の折、榎本武揚らとともに最後まで抵抗して散った隻腕のラストサムライ伊庭八郎秀穎。彼は死の5年前の元治元(1864)年、将軍家茂の上洛に警護の一員として随行。本書は、初めての京都で名所めぐりやグルメを楽しんだ八郎が書き残した日記を読み解く歴史読み物。

 正月15日、陸路で京に着いた八郎は、江戸から船で伏見に到着した将軍を出迎え二条城へ。翌日から御所に参内する将軍の警護のかたわら、任務の合間に北野天満宮や金閣寺を観光。都で一番という料理屋「澤甚」のウナギに舌鼓を打ったかと思えば、通っていた剣術の稽古場で「天王寺かぶの千枚漬け」を食べたりと忙しい。幕末の緊迫する京都でのんきに過ごす幕臣のリアルな日常を紹介。(幻冬舎 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ