「競争社会の歩き方」大竹文雄著

公開日: 更新日:

「競争」をテーマに経済学の思考法を解説した教養テキスト。

 日本では、競争社会という言葉が否定的な意味でとらえられている。しかし、著者は競争の促進は、それぞれの長所を見いだし、それを生かす方向へと人々を導き、結果として独占を阻止する契機になるという。競争に対してネガティブなイメージを持つことで私たち自身も大きな代償を払っているとも。競争のメリットを享受するのは、競争している本人ではなく、競争の結果、より良いサービスや商品を手にできる消費者だからだ。

 チケットの転売や政府が進める女性活躍推進、社会保障給付など、身近な問題を例に取り上げながら、適切に競争を促進、継続させる社会を実現するための方途を説く。

(中央公論新社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり