「競争社会の歩き方」大竹文雄著

公開日: 更新日:

「競争」をテーマに経済学の思考法を解説した教養テキスト。

 日本では、競争社会という言葉が否定的な意味でとらえられている。しかし、著者は競争の促進は、それぞれの長所を見いだし、それを生かす方向へと人々を導き、結果として独占を阻止する契機になるという。競争に対してネガティブなイメージを持つことで私たち自身も大きな代償を払っているとも。競争のメリットを享受するのは、競争している本人ではなく、競争の結果、より良いサービスや商品を手にできる消費者だからだ。

 チケットの転売や政府が進める女性活躍推進、社会保障給付など、身近な問題を例に取り上げながら、適切に競争を促進、継続させる社会を実現するための方途を説く。

(中央公論新社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー