「人生散歩術」岡崎武志著

公開日:  更新日:

 吉田健一の文学におけるテーマのひとつが「時間」だ。吉田の「時をたたせる為に」の中に「この忙しいというのは時間がないことである。或はそれを意味するものと受け取ることに疑いをもつものは少なくて時間がなくなってもまだ人間が忙しくしていられるかどうか考えようともしないらしい」という文がある。吉田は「時間」というものの意味を徹底的に考え抜いて文章に書く。吉田の文は速読に適さず、「意味の堂々巡りのように見えて、くねくねと論理の散歩道をさまよいながら、いつか広く明るい野に出る」、それが吉田健一を「読む」ということだと著者は言う。

 井伏鱒二、高田渡らの作品を通して、読むことの楽しさを教えてくれる一冊。

(芸術新聞社 1800円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安藤サクラに朝ドラ奪われ…満島ひかり“超ワガママ”の裏側

  2. 2

    安倍首相は「年金資産」を北方領土とバーターする気だった

  3. 3

    大谷のア新人王を非難 東地区2球団の投手陣が右肘を狙う

  4. 4

    新人王でも来季は年俸7500万円 大谷の「大型契約」はいつ?

  5. 5

    エ軍が大谷の復帰に慎重姿勢 あの日本人投手が反面教師に

  6. 6

    大みそかToshlとYOSHIKI“バラ売り” 「X JAPAN」どうなる?

  7. 7

    ソフトBが“相場破壊” 浅村に大魔神&松井超えの札束用意か

  8. 8

    交渉前に「お断り」…FA浅村に蹴飛ばされたオリの自業自得

  9. 9

    日産ゴーン逮捕の裏側と今後 衝撃はこれからが本番だ<上>

  10. 10

    大人も答えられない「正しいあいさつ」を小2に押しつけ

もっと見る