「ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで」真梨幸子著
「熱海乙女歌劇団」団員の「海野もくず」は、ぱっとしない役ばかりやっている。せめてアクセサリーだけでも派手にしようと、ファンクラブが総出で舞台用のネックレスを手作りするありさま。ところがファン投票で最下位になり、退団勧告は免れたものの2年連続最下位になるとアウトだ。団員の基本給が低いので、衣装代などの経費はファンクラブもちだが、会員は7人しかいない。それなのに、幽霊が出るからマンションを引っ越したいという。ファンクラブの瀧島さんは「おばさま」のタニマチが必要だと、万両百貨店外商部の大塚さんに相談した。大塚さんが目を付けたのは……。(「タニマチ」)
外商部員が八面六臂の活躍をするミステリー短編集。
(幻冬舎 1400円+税)