「センス・オブ・シェイム」酒井順子著

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 SNSに多くの人が接するようになって「恥の感覚」が激変したと、著者は感じている。著者自身、エッセーを書くときは恥を感じることはない。それは文章の向こうにいる人が「不特定多数」だからだ。だが、フェイスブックで他人の投稿にコメントを書き込まなくてはならない状況のときは、「がんばって」などのひと言を書くのが恥ずかしい。フェイスブック上の友達は実生活上の知り合いでもあるが、SNS上で今まで知らなかった知り合いの精神のある部分をチラ見すると、その人の裸をチラ見してしまったようで恥ずかしい。(「中年とSNS」)

 フェイスブックでダダ漏れになっている「自慢欲」に鋭く切り込んだエッセー集。

(文藝春秋 1400円+税)

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