「源氏姉妹」酒井順子氏

公開日: 更新日:

〈いつもであれば、唇が私の顔を確かめるかのように動いているうちに眠ってしまうのですが、このときは唇が唇を覆ったままで、私の口の中に、ぬめぬめと動く舌が入ってきたのです。そうかと思うと、源氏さまの手が単衣の中に差し込まれて……〉

 こう回想するのは、光源氏にもっとも愛された女性のひとりであり、幼い頃にその美貌を見込まれ、かどわかされた紫上だ。

 本書は、卓抜した妄想力とプロファイル力で、誰もが知る古典作品「源氏物語」を新たな切り口で描いた物語。光源氏という日本文学史上最高のモテ男と交わり、図らずも“姉妹”となった総勢17人の女性たちが、赤裸々な“しちゃった体験”を独白する形で、光源氏という男の真の姿を浮かび上がらせていく。

「古典作品とエロという、私の好きな2つのテーマを合体させたことで本作は誕生しました(笑い)。源氏物語を今風に言えば、性依存症の一人の貴公子が、さまざまな女性と関係を結びまくるお話。源氏物語は漫画化や映画化により女性ファンが多いようですが、高校の教科書以来、読んだこともないという男性にも、楽しんでいただければうれしいですね」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手