「源氏姉妹」酒井順子氏

公開日: 更新日:

〈いつもであれば、唇が私の顔を確かめるかのように動いているうちに眠ってしまうのですが、このときは唇が唇を覆ったままで、私の口の中に、ぬめぬめと動く舌が入ってきたのです。そうかと思うと、源氏さまの手が単衣の中に差し込まれて……〉

 こう回想するのは、光源氏にもっとも愛された女性のひとりであり、幼い頃にその美貌を見込まれ、かどわかされた紫上だ。

 本書は、卓抜した妄想力とプロファイル力で、誰もが知る古典作品「源氏物語」を新たな切り口で描いた物語。光源氏という日本文学史上最高のモテ男と交わり、図らずも“姉妹”となった総勢17人の女性たちが、赤裸々な“しちゃった体験”を独白する形で、光源氏という男の真の姿を浮かび上がらせていく。

「古典作品とエロという、私の好きな2つのテーマを合体させたことで本作は誕生しました(笑い)。源氏物語を今風に言えば、性依存症の一人の貴公子が、さまざまな女性と関係を結びまくるお話。源氏物語は漫画化や映画化により女性ファンが多いようですが、高校の教科書以来、読んだこともないという男性にも、楽しんでいただければうれしいですね」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」