「生物はなぜ死ぬのか」小林武彦著

公開日: 更新日:

「そもそもなんで生き物は死ぬのか」という根源的な疑問に生物学的視点から迫る科学エッセー。

 死について考察する前に、まずは生物がなぜ誕生したのかを解説。原初の地球までさかのぼり、度重なる偶然(ミラクル)が起こり、より効率的に増えるものが生き残り、死んだものが材料を供給する「正のスパイラル」によって生命が誕生した過程を振り返る。

 現在の生物の多様性は、実は遺伝子の変化と絶滅(=死)による選択によって支えられている。生命の誕生と多様性の獲得に、個体の死や種の絶滅といった「死」が重要であり、「死」も進化がつくった生物の仕組みの一部であるという。「老化」というヒト特有の現象の意味などにも触れながら、死が「生命の連続性を維持する原動力」であることを説く。

(講談社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞