「生物はなぜ死ぬのか」小林武彦著

公開日: 更新日:

「そもそもなんで生き物は死ぬのか」という根源的な疑問に生物学的視点から迫る科学エッセー。

 死について考察する前に、まずは生物がなぜ誕生したのかを解説。原初の地球までさかのぼり、度重なる偶然(ミラクル)が起こり、より効率的に増えるものが生き残り、死んだものが材料を供給する「正のスパイラル」によって生命が誕生した過程を振り返る。

 現在の生物の多様性は、実は遺伝子の変化と絶滅(=死)による選択によって支えられている。生命の誕生と多様性の獲得に、個体の死や種の絶滅といった「死」が重要であり、「死」も進化がつくった生物の仕組みの一部であるという。「老化」というヒト特有の現象の意味などにも触れながら、死が「生命の連続性を維持する原動力」であることを説く。

(講談社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒