「『スパコン富岳』後の日本」小林雅一著

公開日: 更新日:

 日本の科学技術力の弱体化が指摘されて久しい。そんな中、日本のスーパーコンピューター「富岳」が2期連続世界王座に就いた。日本が科学技術立国に復活する手掛かりとなるのが、スパコンの中核をなす「半導体」、そしてその半導体の活用対象として期待が集まる「AI(人工知能)」だという。世界の巨大IT企業も改めて半導体技術に注力。AIを使った製品やソフトウエア開発競争が飽和し、今後はむしろ半導体のようなハードウエア技術がこの分野の競争力の源泉になるとみられているからだ。

 本書は、「富岳」に搭載された超高速プロセッサー「A64FX」の可能性から、次世代超高速マシン「量子コンピューター」の現状まで、日本の科学技術の今と未来を解説するサイエンス本。

(中央公論新社 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘