「お金の流れで見る明治維新」大村大次郎著

公開日: 更新日:

 幕末から明治維新にいたる歴史をお金の動きから読み解くテキスト。

 当初、幕府は経済的に絶対的な優位に立っていた。しかし、商工業の発展とともに米が中心だった経済システムが変化。米の価値が下がり幕府や諸藩の財政が悪化する。

 さらに、税制は年貢が中心で、商工業にはあまり税を課していなかった。幕府は家康が残した莫大な資産を切り崩ししのぐが、黒船来襲による開国・開港後の10年間で、物価が10倍以上に跳ね上がる。

 そんな中、諸藩にとって財政悪化の一因だった参勤交代が廃止され、いち早く財政再建に成功した薩摩藩や長州藩が軍備を増強し、倒幕に動き出したという。

 大政奉還や江戸城無血開城などを経済の面から解説した面白本。

(PHP研究所 836円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手