「明治維新 偽りの革命」森田健司著

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 明治維新は、封建制度によって生まれながらの権利を奪われていた庶民を解放、西洋列強の仲間入りを果たし、近代を招来した革命だった──。明治の世を称賛し、江戸時代を糾弾するこうした歴史観は長くまかり通ってきた。

 しかし、これは新政府のイメージ戦略によって当時の人々に植え付けられたもので、実際は庶民の多くが明治政府を嫌っていたという。

 そんな明治政府の真の姿に迫る歴史テキスト。大政奉還で武力による討幕の口実を失った薩摩藩が江戸市中で繰り広げた連続集団強盗事件、新政府軍の軍人らが身に着ける「錦ぎれ」を奪い庶民の喝采を浴びた男など、知られざる史実を紹介。それらに対する人々の反応、そして当時を代表する人物たちの言動から歴史の真実を浮き彫りにする。

(河出書房新社 1034円)

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