「明治維新 偽りの革命」森田健司著

公開日: 更新日:

 明治維新は、封建制度によって生まれながらの権利を奪われていた庶民を解放、西洋列強の仲間入りを果たし、近代を招来した革命だった──。明治の世を称賛し、江戸時代を糾弾するこうした歴史観は長くまかり通ってきた。

 しかし、これは新政府のイメージ戦略によって当時の人々に植え付けられたもので、実際は庶民の多くが明治政府を嫌っていたという。

 そんな明治政府の真の姿に迫る歴史テキスト。大政奉還で武力による討幕の口実を失った薩摩藩が江戸市中で繰り広げた連続集団強盗事件、新政府軍の軍人らが身に着ける「錦ぎれ」を奪い庶民の喝采を浴びた男など、知られざる史実を紹介。それらに対する人々の反応、そして当時を代表する人物たちの言動から歴史の真実を浮き彫りにする。

(河出書房新社 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」