「『黒い雨』訴訟」小山美砂著

公開日: 更新日:

 1945年8月6日、原爆投下直後の広島に放射性物質を含んだ雨が降り注いだ。この「黒い雨」を浴びた人たちを被爆者として認めて救済する制度はなく、彼らは国の援護から締め出されて戦後を生きてきた。だが、1年前の夏、広島高裁の判決によってようやく救済対象が拡大し、黒い雨被爆者と認められるようになった。

 黒い雨被爆者が戦後75年以上にわたって置き去りにされてきたのは、被爆の影響を訴える声を「切り捨てる」論理があったからだという。これに疑義を訴え、被爆を巡る救済のあり方を問うた「黒い雨」訴訟の全容を伝えるノンフィクション。深刻な病を抱えながら戦後を生きてきた原告たちの実情、米国の被害軽視に追従した国の怠慢、救済者被害を巡る非科学性と不合理さを告発する。

(集英社 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    高市首相が長崎被爆者団体に“ガン飛ばし”で大炎上! 会長あいさつ「戦争知らない」に過剰反応?

  4. 4

    消費税減税は内閣支持率V字回復の“起爆剤”にならず…あてが外れた高市自民の大誤算

  5. 5

    真夏の珍事? 共産党が“野党第1党”に大躍進したワケ…潜在読者掘り起こした電子版「赤旗日曜版」

  1. 6

    札幌でクマ出没件数が大幅減少のナゼ? 昨年は秋以降に大量出没したのに

  2. 7

    危うし「高市延命」天王山 “与ゆ党推薦候補”ポンコツ露呈…9.13沖縄県知事選 首相応援要請は見送り

  3. 8

    WEST.重岡大毅の授かり婚の事後報告に“騙された”とファン激怒 あの目黒蓮も…今も難しいアイドルの結婚事情

  4. 9

    NHKの看板報道番組「ニュースウオッチ9」もリオ五輪に浮かれていた

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ