「スポーツ毒親」島沢優子著

公開日: 更新日:

 2007年、九州の私立高校の女子バスケットボールクラブの外部コーチCが強制わいせつ、性的暴行などの容疑で逮捕された。告訴したのは女子生徒11人の保護者で、被害者は数十人に上ったが、その大半は被害届を出さなかった。

 被害を受けなかった下級生の親のなかには、同意の上だったのではと考える者もいて、Cの無罪を訴える嘆願書の署名集めをする者もいた。被害届を出した生徒らは、卒業生や保護者からバッシングを受けた。功績のあるバスケット部の名誉を傷つけ、恩義のあるCを告訴したことへの怒りがあったのだろう。

 スポーツ指導者の暴力を容認し、事実を隠蔽する親たちを取材したノンフィクション。

(文藝春秋 1540円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か