(2)もう白粉はまっ平ごめんだよ
花魁が光る唇を開いた。
「通夜もなんもせず、今夜には土ん中と聞いたのさ。だから姐さんに会いに来た。いいでござんしょう?」
しかたねえな、と颯太はおちえを見る。おちえは静かに立ち上がり、亡骸の足下のほうに座り直す。
姉女郎の顔をじっと見つめていた花魁が、
…
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