TVでお馴染み コリア・レポート編集長・辺真一氏の原点
その前の年、鄧林はニューヨークで個展を開いている。個展開催をサポートしたのが、元米国務長官のキッシンジャー氏。米国も、彼女を通じ中国情勢を分析していたという。
中国事情を知る重要人物を直撃した辺さんは、そのときの様子をラジオで生放送した。
「放送の翌日から、中国政府関係者の対応が明らかによくなった。物腰が柔らかくなり、笑顔が増えたのです。いま思えば、天安門事件で民衆からの突き上げを受けた政府は、政権中枢人物の親族でさえ、質素に暮らしていることを世界にアピールしたかったのでしょう。鄧小平の娘の生活ぶりは、うってつけです。で、僕が電気もついていないことをそのまま伝えたのが、政府によかったのかな。でも、あの体だから、彼女、栄養は過多だね」
■中国の韓国大使館で拘束され…
中国政府から土産に中国産ワインをプレゼントされた。中国でワインが造られていることも驚いたが、それがとにかくウマかったことにもっとビックリしたという。中国政府の厚遇がよく分かる。ところが、99年の中国行きでは一転、とんだ仕打ちを受けた。中朝国境付近を取材して、中国から見える北朝鮮の国境を写真に収めてから北京に戻っての出来事だ。