山本一力 売れない時代の胃袋を満たしたアラ煮の思い出

公開日: 更新日:

 山本さんがカニの箱を抱えたカットを掲載するつもりで撮影したが、フィルムが余ったため、カメラマンが気を利かせて「ご家族の皆さんでいかがですか」と撮ってくれたのが、この写真だ。みんなの表情がよく、こちらも掲載されることになったという。

「いわば“幻の写真”なんだけど、我が家にとってはいろいろな意味で原点なんだよ」

 その日の晩は、親戚を交えての大宴会。焼きガニやカニ鍋、そして押し寿司とタラバガニを食べ尽くす。それに、カツオもホヤもある。アラ煮中心の食卓は一変した。しかし、贅沢は続けない。1万円分の魚介を食べ終えたら、アラ煮の生活に戻った。

「タイのカブト煮を作ると、子供たちは目玉が好きで、親の知らないところで、いつまでもいつまでもしゃぶっていたんだろうね。あるとき、小指の先くらいの水晶みたいなのを見せられた。それが、目玉の芯だったのを初めて知った。オレは、目玉をしゃぶっても、白いのが出てきたら捨てていたんだよ。最近は、魚は切り身が泳いでるなんて思ってる子がいるらしいし、食べ方の汚い子供が多いけど、ウチはキレイだよ。アラ煮やカブト煮の食生活で子供が魚を食べ慣れたのは、親として、いいことを教えたと思うなぁ」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?