橋口亮輔監督の原動力は故・淀川長治さんの「1時間ダメ出し」

公開日: 更新日:

 淀川先生は開口一番「見たわよ」とおっしゃった。そして、「ファーストシーン、すごいと思った。これは溝口健二かと思った。でも、あとがダメ! なぜだかわかる? あんたには根性がない」とピシャリ。そこから1時間、ずっとダメ出しで、僕は「はい、はい」と聞くしかありませんでした。

 ただ、先生は「見込みがある」と。「あなたは一度映画を選んだんだから、最後まで映画をやんなさい。盗みを働いてもいい、水を飲むことしかできない生活をしてもいい、あんたはやれるから」とおっしゃってくださったんです。「目先の映像のことなんかどうでもいいの。アンタは人間のはらわたをつかんで描く人なの!」とも。そのときは「はあ、はあ」と聞いているだけだったんですけど、先生とお会いして、僕は初めてプロになりたい、と思うようになりました。

 7年前、「ぐるりのこと。」を撮った後、同業者から長年にわたって悪質な詐欺被害を受けていたことが判明。問い詰めると本人も盗みを認めたため、訴えようと弁護士に相談しました。

 相談した5人の弁護士は見事に堕落しきった者でした。証拠もある。本人も自白している。にもかかわらず訴えることすらできない。「この国で犯罪被害に遭うと泣き寝入りしかないのか?」と精神的にもかなりのダメージを受けました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?