中川右介氏寄稿 「妻ある男の恋」再び容認されるためには

公開日: 更新日:

 洋の東西を問わず、不倫(不義密通)は小説や演劇の重要な題材だ。

 女に人権がない時代、女は男の所有物だったので夫のある女が男と関係を持つ不義密通は「窃盗」の一種である姦通罪となった。そのため夫を裏切った女も盗った男も、徳川時代は死罪、明治になってからも禁錮刑だった。戦後、男女平等の精神に反するとして姦通罪が廃止されると、女は「夫以外の男と関係を持つ自由」を得た。この「自由」とは、あくまで刑法上の罪ではないという意味だ。

 女性の不倫への罪の意識は薄れ、「夫にバレなければいい」となり、それならば「私にもできるかもしれない」「やってみたい」となり、1950年に大岡昇平が「武蔵野夫人」を、57年には三島由紀夫が「美徳のよろめき」を発表すると、ともにベストセラーになり映画にもなった。とくに後者はテレビドラマ化もされ、「よろめき」は不倫を意味する流行語となった。

 一方、以前の日本は「妻のある男が他の女と関係をもつこと」にはおおらかで、昔は妾を持つ人は多かった。しかし、いまや「愛人発覚」は、政治家や芸能人にとって致命的なスキャンダルだ。「妻ある男の恋」は、その相手の女ともども糾弾される傾向にある。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広島】2026年 戦力外通告選手一覧

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    【阪神】2026年 戦力外通告選手一覧

  4. 4

    萩本欽一〈50〉世にも奇妙な父の最期「医師が『ご臨終』と言った後に、首がぐーって動いてさ」

  5. 5

    元巨人・桑田真澄氏に白羽の矢…中日はなぜ“完全外様”を次期監督の最有力候補に据えたのか

  1. 6

    中日「桑田真澄監督」誕生の最大障壁はナゴヤの地元愛…落合博満氏以上の“完全外様”は歓迎されるのか

  2. 7

    際立つ進次郎防衛相の外交オンチ…「高市総理に軍拡フリーハンド」で日中対話ますます遠のく

  3. 8

    JR東日本で相次ぐ「グリーン車タダ乗り」問題を乗車して検証…SNSに“アテンダントなし区間情報”流れモラル崩壊

  4. 9

    【ソフトバンク】2026年 戦力外通告選手一覧

  5. 10

    【12球団】プロ野球2026年 戦力外通告選手(随時更新)

おすすめ求人情報

Sponsored by 求人ボックス