中川右介氏寄稿 「妻ある男の恋」再び容認されるためには

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 この視点から、2014年のNHK朝ドラ「花子とアン」を振り返ってみよう。柳原白蓮をモデルにした蓮子(仲間由紀恵)は、炭鉱王の妻でありながら学生との恋に落ちるが、この不倫(当時は姦通罪)は、せつなく美しく肯定的に描かれていた。一方、ヒロイン・花子(吉高由里子)の、病身の妻を持つ男との不倫の恋は、実話なのに、詳しく描くと番組そのものが女性視聴者に嫌われると判断したのか、深くは描かれなかった。

 現在は「他人の夫」と関係を持った女は「盗んだ女」として女から嫌われ、バッシングされるのだ。いまや男は、結婚すると女の所有物なのだ。

 実は、姦通罪が廃止される時、「夫ある女の不倫を罪としない」のではなく、「妻ある男の不倫も罰する」ことで男女平等にすべきとの意見もあった。男たちの反対で、結果として姦通罪は男女ともなくなったが、現実には妻ある男の不倫に世間は厳しい。

「妻ある男の恋」が再び社会的に容認されるためには、木村拓哉ドラマでせつなく演じてもらうしかないのかもしれない。人気が失墜しているといわれる木村にとって、起死回生となるか、もっと落ちるか、賭けではあるが。

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