選考過程を聞いた 「流行語大賞」どうやって決まるのか?

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 その年最も話題になった言葉を選出する「ユーキャン新語・流行語大賞」が1週間後の12月1日に発表される。今年は週刊誌スクープから「ゲス不倫」「センテンススプリング」などの言葉が生まれ、豊洲移転問題を象徴する「盛り土(もりど)」など世相を表すワードも候補語にノミネートされた。この「流行語大賞」、そもそも誰がどうやって選んでいるのだろうか?

■鳥越氏は都知事選出馬で委員を辞任

「まずは大量に届くノミネート語候補をふるいにかけるところから始めます」

 教えてくれたのは1995年の第12回から20回近く選考に関わっている、「現代用語の基礎知識」の清水均編集長だ。

「ノミネート語候補は例年10月の段階で、読者にメールでアンケートを募ります。中には、地方ローカルの番組名とか自分の学校のクラスだけではやっているフレーズなど、誰も知らない“流行語”も混ざっているので、これらを整理するのが第1段階です」

 今年の場合、アンケートで集まったのは約250語。それを「現代用語の基礎知識」編集部で62語まで絞り込み、その後、選考委員会を開催。清水氏を含む6人の選考委員(姜尚中氏、俵万智氏、室井滋氏、やくみつる氏、箭内道彦氏)で議論したという。その選考委員、昨年までは7人だったが、今年は1人減った。

「鳥越俊太郎委員ですね。ご存知のように、今年は一転して、選考される側に回られました(笑い)。7月の都知事選に立候補を表明されたその日に『選考委員はやめるから』と連絡がありました。あんまりさっぱりと言われたので驚きましたが、鳥越さんらしいなとも思いました」

 最終的にノミネート語として30語を選出、11月17日に発表した。

「読者へのアンケートで集まったワードの中で票数が多かったのは、『ゲス不倫』『君の名は。』『SMAP解散』『ピコ太郎』でした。ただ、票数はあくまで票数。選考委員は各々の方針、見識で選考します。例えば僕は、この1年はどんな年だったか、それをうまく言い当てているワードを選びたいと毎年考えています」

 ただ悩ましいことに、例年ノミネート語を発表した後には、反響に混じって反発の類もたくさん寄せられるそうだ。

「毎年いろいろなご意見をいただいていますが、“このワードはノミネート語から外せ”といったご要望には面食らうことがあります。この1年を振り返るための30ワードなんです。たとえばSMAPの解散騒動は、“平成年表”の項目としても絶対に欠かせないものだと思いませんか?」

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