映画に魅せられ離婚 「グッバイエレジー」監督の波乱万丈

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 その大学も3年で中退し、4畳半のアパートでフーテンのような暮らしをしていた時です。バイトでピンク映画の製作スタッフもやっていたこともあり、風月堂の常連だった長谷川和彦から「日活で助監督を募集してるぞ」と教えてもらいました。結局、その時、日活には入れなかったけれど、三船プロに入れてもらい、映画人生が始まった。

■映画をやりたくて離婚を決めた

 長門裕之さんと南田洋子さんの人間プロ、師匠で、裕次郎の「俺は待ってるぜ」などプログラムピクチャーの旗手だった蔵原惟繕監督との出会い。誘われるままに京都での「必殺」シリーズへ参加しました。そして、サンリオの社長からかかってきた電話で絶頂期を迎える。「キタキツネ物語」です。チーフ助監督のほか、ナレーション台本、作詞12曲を担当し、曲の印税で家を建てることができました。

 結婚などまったく信じちゃいなかったし、映画をやるなら家庭との両立はできないと思っていたけれど、米屋の一人娘と結婚、2人の子どもに恵まれた。

 自宅でも仕事ができるTVの構成作家などで食いつなぎ、何年か普通の家庭生活も送ったけれど、やっぱり映画がやりたくて離婚を決めました。日本の映画界に戻ろうとしたけど、どうせならとアメリカに打って出た。作者の石川好さんを新宿のハイアットで拝み倒して、「ストロベリーロード」の映画化権をもらいました。東宝と蔵原監督は当時、揉めていて、高倉健さんに間に入って取りなしてもらった。松平健さんに主役をお願いして。

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