映画に魅せられ離婚 「グッバイエレジー」監督の波乱万丈

公開日: 更新日:

 アメリカで製作会社を設立しての15年間は、スポンサーから入るはずの製作資金が届かず、ショートして破産という経験を2度。金というのは、本当にない時はどうしようもないが、最後には何とかなる。あるという時も、何だかんだで消えていく。本当にイーブンなんだと思う。

 私の右の手のひらには真ん中にほくろがあって、金運に恵まれていると言われたことがある。根拠があるわけでもないが、どんなに苦しくても、自信を持つようにした。必ず何とかなると。

映画じゃ食っていけない、だけど……

 2004年に帰国したら、日本の映画界では浦島太郎でした。それで40年ぶりに故郷の小倉に帰りました。そこで北九州市からの支援と1口5000円からの地元協賛金だけで、映画「グッバイエレジー」を撮ることができた。何とかなるのだ。あの貧乏に喘ぎながらも、映画に夢中だった中学時代、当時の親友を物語にしたら、あの頃の親友に再会できた気がした。

 資金を募る時、「映画で儲けようとしても無理ですよ」と私は言うようにしている。その通りだからだ。映画じゃ食っていけないというのが48年の映画人生の結論。あるのは金じゃない何か。生きた証しとかそんな類いのものじゃないかと思っている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理