ドラマは履歴書を作らないと“根っこのない木”になる

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碓井 いつ、どこで生まれ、どんなふうに育ち、ドラマにおける「現時点」までに何をしてきた人物なのか。

倉本 登場人物ひとりずつの履歴書を作ると、どこでAとBが会うのか。これまでにそれぞれが形成してきた履歴やキャリア、はたまた、Aという性格とBという性格が出会った時に起こる化学反応こそがドラマだと思うんですね、僕は。

 履歴書をしっかり作らないとドラマが湧きようもなく、“根っこのない木”になってしまう。根っこがなければ木は立つわけがないのに、強引に立たせたフリをして、花を咲かせたり、葉を茂らせたり、実をつけたりしている書き方っていうのは違いますよね。

碓井 登場人物の履歴は演じる側にとっても大事な足場になるんじゃないでしょうか。

倉本 その通りです。履歴には大履歴、中履歴、近履歴っていうのがあって、それぞれ、大過去と中過去と近過去をさすわけですが。大過去は生まれた時から社会に出るくらいまで、中過去はいまの境遇をつくった時、そして、近過去はこの舞台でカメラの前に立つ前にあなたは何をやっていたかってことなんですよ。

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