綾野剛「パンク侍」低空発進…客を置き去りで大コケ懸念

公開日: 更新日:

 作り方も変わっている。現代の映画界で主流とされる複数の企業から出資を募る「製作委員会方式」ではなく、一社単独製作。しかも映画を専門とする会社ではなく、動画配信サービス「dTV」を運営するエイベックス通信放送が手がけた。当初は配信専用のオリジナルコンテンツにするつもりだったが、途中から映画化にシフト。同作のクオリティーについて、映画ジャーナリストの大高宏雄氏は「大がかりなセットや日本映画界を支える俳優陣のキャスティングひとつとっても、大きなスクリーンでこそ映える。エンターテインメント性を重視した作り込んだ作品であり、石井岳龍監督の手腕も感じる」と評価する。

 従来の劇場収入だけでなく、動画配信でも稼げる“一粒で二度おいしい”ビジネス。自社製作だから、別途、映像使用料もかからない。となれば、興収だけで成否を判断するのは早計なのか。

「配信事業は何千本、何万本ものコンテンツを擁するため、一般的な映画ビジネスとは異なり“一本勝負”ではない。重要なのは会員数を増やすことであり、劇場公開は新規の会員獲得の起爆剤としての役割も担っている。ただシネコン興行が不調であれば翌週以降、上映規模は縮小されるため、従来同様、その都度勝負であることにかわりはありません」(前出の大高氏)

 作風も商売もパンク過ぎて、お客は置き去りで候。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間