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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

「分からなさ」を残しているからタモリの人気は長く続く

公開日: 更新日:

 チック・コリアは高名なジャズピアニストだが普通の人は分からないだろう。その奏法をそれっぽく真似るという芸だった。そんなタモリの核をなすジャズの素養もまた、「分からなさ」からひかれた。

 子どもの頃からタモリは、音楽好きの両親の影響でさまざまな音楽を聴いて育った。だから音楽に対する“耳”には自信があった。だが、友人の家で聴いたアート・ブレイキーの一枚に衝撃を受ける。

「何がなんだかわかんない。こんなわけのわかんない音楽聞いたのははじめてで、とても癪にさわったんですね。俺にわからない音楽なんてないと思ってましたからね。それじゃあ根性入れて聞こうと」(メディアファクトリー「これでいいのだ。―赤塚不二夫対談集」00年1月14日発売)

 そこからタモリはジャズに傾倒していった。テレビも同じだ。「11PM」(日本テレビ)で、面白さが理解できない部分でスタジオで大人たちが笑っているのを見て、テレビを必死で見るようになった。

 冒頭の有働との対談でも、テレビを過度に分かりやすくしようとするのは、テレビを見ている人をバカにしていることだとタモリは言う。思えば、こんなにも長くテレビに出続けているタモリだが、タモリほど「分からなさ」を残しているタレントはなかなかいない。人間は分からないことにこそ興味を持つし、分かろうとするものなのだ。

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