いまだに議論される「シェーン」 ヒーローは死んだのか?

公開日: 更新日:

1953年 ジョージ・スティーブンス監督

 アラン・ラッドの名作。別れのシーンで有名だ。

 ワイオミングの開拓地を訪れたガンマンのシェーン(A・ラッド)はスターレット(バン・ヘフリン)と出会い、農作業を手伝うことに。この地にはライカー兄弟というならず者がいて、スターレットは嫌がらせを受けていた。シェーンは酒場でライカーの子分に言いがかりをつけられ、スターレットとともに多勢に無勢の喧嘩に勝つ。

 ライカーは殺し屋のウィルスン(ジャック・パランス)を呼び寄せ、農民の一人を殺害。スターレットはけりをつけようとするが、シェーンは彼を殴り倒して決闘の酒場に向かうのだった……。

 銃の音に敏感なシェーンは人を撃った経験のある凶状持ちだろう。彼が単身で決闘に臨んだのは堅気のスターレットに銃を抜かせないためだった。だから「人殺しの烙印は一生消せない」と息子のジョーイを諭す。流れ者が悪党をやっつけるのは小林旭「渡り鳥」シリーズ(59年~)と勝新太郎「座頭市」シリーズ(62年~)につながる。

 しかも一粒で3度おいしい。3つの要素で構成されているのだ。一つはガンマンの活躍。昔読んだ資料には、A・ラッドは早撃ちが不得手だったが特訓して5分の3秒まで短縮できたと書かれていた。銃撃場面はいま見てもかっこいい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー