亡くなって37年…師匠への愛情が名作「彦六伝」を生んだ

公開日: 更新日:

 よく出来た面白い噺だから不滅なのか。いや、それだけではない。この噺は木久扇の師匠に対する愛情が伝わるから、どんな観客にも受けるのだと思う。

「確かに僕の師匠への愛が詰まってます。声色をするんでも、対象への愛があると似てくるもんです。僕の『昭和芸能史』という噺の中で、片岡千恵蔵先生の遠山の金さん、市川右太衛門先生の旗本退屈男、アラカン(嵐寛寿郎)先生の鞍馬天狗のセリフを声色でやる。これらもチャンバラスターだった先生方を心底、敬愛しているから似てるんだと」

 声色をやっているうち、ご当人に会えたという。

「千恵蔵先生と右太衛門先生、東映の両御大に会えました。アラカン先生とは何度もお会いしていろんな物を頂戴しました。鞍馬天狗は大喜利の際の自己紹介で、『杉作、日本の夜明けは近い』とアラカン先生の声色でやったのが定番になりました」

 木久扇は古典落語の登場人物を声色でやることもある。お殿様を長谷川一夫、家老を大河内伝次郎、百姓を彦六で演じる「目黒の秋刀魚」などは爆笑ものである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 2

    国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去

  3. 3

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  4. 4

    参院選千葉で国民民主党に選挙違反疑惑! パワハラ問題で渦中の女性議員が「証拠」をXに投稿

  5. 5

    石破首相の参院選応援演説「ラーメン大好き作戦」ダダすべり…ご当地名店ツラツラ紹介も大半は実食経験ナシ

  1. 6

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  2. 7

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  3. 8

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

  4. 9

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  5. 10

    「サマージャンボ宝くじ」(連番10枚)を10人にプレゼント