親父に渡された本が立川談志師匠の「現代落語論」でした

公開日: 更新日:

 談志の落語を聴いた感想はどうだったのか。

「師匠は喉の調子が悪いみたいで、噺の途中で切って解説を始めたんです。16歳のガキが一生懸命頭の中で描いた絵が壊れちゃって、続きが始まっても噺に集中できなかった。とても付いていけないというのが正直な感想でした」

 噺の途中で解説するのは、談志がたまにやることだが、初めて聴く高校生が付いていけるはずがない。

「親父に『どうだった』と聞かれたので、『あの人は口だけだ。本だけだ』って言ったら怒り狂ってボコボコにされました。『二度と落語家になりたいなんて言ったら、ただじゃおかないからな』と脅された。それからしばらく顔を合わせるのを避けてて、親父もあまり家にいない人でしたから。3週間くらいたった時、母から電話があって、『お父さんが倒れた』と言うんです」

 病名は脳幹出血。一命は取り留めたものの、後遺症には言語障害もあるので、落語家にとってはやっかいな病気だ。しかも痴楽には糖尿病の持病があった。


「意識が戻るまで1カ月近くかかって、しゃべるのも、ろれつが回らない。病気で気弱になっていたのか、『落語をやりたいならやれ』と許しが出ました。『平治に話しておいたから』と、すでに師匠を決めてた。その時、『自分で師匠を選べないのか』と思ったのも事実です」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  4. 4

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  5. 5

    「いっぷく!」崖っぷちの元凶は国分太一のイヤ~な性格?

  1. 6

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  2. 7

    元女優・宮崎ますみさんは6年前から八ヶ岳山麓に移住しコメ作り 田植えも稲刈りも全部手作業

  3. 8

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  4. 9

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  5. 10

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由