著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

落語家に定年はありませんが…必ず年を取るし落ち目はある

公開日: 更新日:

 46歳、埼玉に住んでる落語家の三遊亭鬼丸です。私、埼玉県からシニア応援大使というものに任命されてまして、先日その活動の一環で取材に行ってきました。70代、80代でも働いてるシニアの方の取材なんですが、考えたら私たち芸人はまさに生涯現役。ということで今回は落語家の定年について書きましょう。

 まず最初に言っておくのは落語家に定年はありません。ただしここで故橘家円蔵師匠の名言を紹介しましょう。「噺家(はなしか)に定年はないが落ち目はある」です。そう落ち目はあるんです。噺家って年をとればとるほど良いかというとそういうもんでもなく、勢いがあって脂がのってきて、そこから味が出てきて落ち着いてきてアクが抜けて枯れてきてというふうに芸にも移り変わりがあります。

 衰えを経験で克服はできるのでしょうが、いかんせん客商売。仕事のオファーがなければそれまでです。周りの環境も変わってきます。オダン(タニマチ)はどんどん年とって死んでっちゃう、仕事先の担当者がいつの間にか年下になってて自分を扱いにくそうにしてる、結婚式の司会が来なくなったと思ってよく考えたら新郎新婦の親の年より上になってた等々。しかし、人は必ず年を取ります。どうやって芸人たちは克服するのでしょう。まだ私はその年になってないのでよくわかりませんが、やはり芸しかないんでしょうね。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」