SSW半崎美子さん 天童よしみ「大阪恋時雨」は鶴瓶との縁で

公開日: 更新日:

半崎美子さん(シンガー・ソングライター 39歳)

NHKみんなのうた」の「お弁当ばこのうた~あなたへの手紙~」(「うた弁」に収録)などで知られる半崎美子さん。メジャーデビューは2017年だが、精力的にライブ活動を続け、「ショッピングモールの歌姫」として話題のシンガー・ソングライターだ。人の縁と言えば、笑福亭鶴瓶と天童よしみ……。

 ◇  ◇  ◇

 この写真は昨年4月に撮ったものです。天童よしみさんへ私が作詞・作曲した「大阪恋時雨」をレコーディングするスタジオにうかがって撮ったツーショットです。

 作ったのは個人で活動していた時代。15年に大阪でコンサートをやる前日、街並みを歩き、聞こえてくる関西弁などから湧き上がるものをご当地ソングにして歌ったら反響があったので、その後も関西のコンサートでは歌っていました。それを16年に出した「降り積もる刻」に収録しました。それを、よしみさんが歌った経緯をお話しすると……。

■「聴いたで。ラジオでかけたるわ」

 先にどうしてもお話ししなければいけないのが笑福亭鶴瓶さんのことです。私は札幌大学を中退して上京し、東京のパン屋さんで住み込みで働きながら音楽活動を続けていたのですが、その後「永遠の絆」という両親の曲を作り、鶴瓶さんに聞いてもらいたいと思って2010年に「笑っていいとも!」を生放送しているスタジオアルタで出待ちしました。でも、会うことができなかったので、別のトークイベントに出かけ、ご本人には会えなかったけど、スタッフの方に曲と手紙をお渡ししました。そうしたら、直接、鶴瓶さんから電話がかかってきて「鶴瓶だけど歌聴いたで。よかったで。ラジオでかけたるわ」と言ってくださった。私は舞い上がってしまい、「かけるところを見にいきたい」とお願いして、ニッポン放送に出かけて、お目にかかることができました。

YouTubeで聴いたよしみさんが「泣きましたよ」と

 鶴瓶さんは見たまんまの方です。第一線で活躍されているのに、一般の人にも垣根なく接してくれる。以来、目をかけてくださって、18年の年末には鶴瓶さんがずっと続けているイベント「無学の会」にゲストで呼んでいただきました。その時に選曲にないのに、大阪ということもあって「大阪恋時雨」を弾き語りで歌ったんです。この曲は以前からよしみさんに歌ってほしいと周囲にこぼしていたんですね。よしみさんが歌ったら曲のスピリッツが新生するんじゃないかと。それをステージで言ったら、鶴瓶さんも「ええ曲や、ピッタリや」とおっしゃってその場が盛り上がって。

 それでライブが終わってその場で鶴瓶さんがよしみさんに電話して「ええ歌があるんやけど、聞いてくれる?」と言ってくださって。もともと母がよしみさんの大ファンでそれまで番組でご一緒したこともありました。最初の共演は新人賞をいただいた17年の有線大賞。次にNHK「うたコン」でもご一緒して、母が北海道の利尻出身なので、送ってくれた利尻昆布をお渡ししたり。

 よしみさんはYouTubeで調べて聴いてくださって「泣きました」と言ってくれました。それからトントン拍子に話が進んで、CDが出ることになったというわけです。鶴瓶さんは「無学の会」にも呼んでくれて、そんなタイミングが重なって実現したことかなと思っています。

 メジャーデビュー前は自分でコンサート会場を借り、チケットを売っていたこともあります。めぐろパーシモンでやった時は鶴瓶さんが入り口に飾るスタンド花を出してくれたり、BLITZ赤坂でやった時はスタッフ用のケータリングもケチケチしている私の話を聞いて「余すくらいじゃないといけない」とリッチなセットを届けてくれて。

 鶴瓶さんとよしみさんも昔からお付き合いがあって、よしみさんとのすてきなご縁をつくってもらうことができたんだなと思います。そうして実現したのが「大阪恋時雨」です。この写真はこれからも大事にします。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ

■デビュー20年の節目となるCD「布石」を3月11日リリース。「布石」のほか2017年に発売してから歌い続けている「サクラ~卒業できなかった君へ~合唱ver.」などを収録。「うた弁2」には天童よしみをイメージして作った「時の葉」(「大阪恋時雨」のカップリング曲)も収録。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  2. 2

    中居正広は「地雷を踏んだ」のか…フジテレビに色濃く残る“上納体質”六本木『港会』の存在

  3. 3

    「文春訂正」でフジテレビ大はしゃぎも…今田耕司、山里亮太、カンニング竹山ら“擁護”芸能人の行きつく先

  4. 4

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  5. 5

    フジテレビ系の冬ドラマ「警察もの」2本はありえないお話しすぎてズッコケの連続

  1. 6

    《フジが反転攻勢》《どうする文春!》中居正広問題の文春記事訂正に大はしゃぎの違和感…“直取材”対象はどこにいる

  2. 7

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

  3. 8

    極秘結婚の小島瑠璃子 略奪愛は打ち消されるも…思い出される「付き合う前にいたす」発言

  4. 9

    入社式の仰天舞台裏 コネと忖度が横行するフジの末期症状

  5. 10

    “天皇”日枝久氏しか知らない「ジャニーズ圧力」「メリーの激昂電話」 フジテレビは今こそ全容解明を

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  2. 2

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

  3. 3

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  4. 4

    26億円投入のお台場巨大噴水事業が「フジ日枝案件」と露見…小池都知事による激怒と錯乱と珍答弁

  5. 5

    (61)寅さんのおかげで子供4人を大学に入れることができた

  1. 6

    中居氏問題の根底にある「旧ジャニーズ」の大きすぎる存在…フジは“パイプ役”藤島ジュリー景子氏と関係断絶できるのか

  2. 7

    星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった

  3. 8

    石丸伸二陣営が会見で露呈したグダグダ…都知事選の公選法違反疑惑で事務局長が“新証言”、買収の疑い強まる

  4. 9

    今年のロッテは期待大!“自己チュー” 佐々木朗希が去って《ようやくチームがひとつに》の声

  5. 10

    【新連載】星野監督は講演会でいきなり「おまえはクソ生意気らしいから野村さんと全然あかんかったんやろ!」