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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

自宅籠城癖がついた人たちに、ハマりそうな本を紹介しよう

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 感染者は減ってきたようだが、学者が「コロナは高温と湿気、紫外線が大嫌いなウイルスなので夏場は広がらないが、これから冬になる南半球は感染者が増えるかもしれない。また冬には日本に第2波が襲ってくるかもしれないので油断できない」と思案していた。だから、検査も補償金もぐずぐずしている、我が日本左衛門政府のポンコツ対策のままじゃ、この秋から冬にどう構えろっていうのか。やりきれなくなってしまうよ。

 読者のご好評に応え、ご用とお急ぎでない、自宅籠城癖がついた人たちに、またハマりそうな本を紹介しよう。本は生きる力をくれる。コロナ禍で惨めな生活を強いられている今は、天皇が人間宣言した敗戦直後にも似ているようだ。「戦中派焼け跡日記」(山田風太郎/小学館文庫)は恥さらしのリアルな戦後がつまっている。人の暮らしを奪うものこそ、人間の“敵”だということを思い知らされる。大震災で不安が高まった東京府や周辺に出たデマが起こす恐ろしい事態を如実に描いた「関東大震災」(吉村昭/文春文庫)は今まさに読まれたい実録記だ。人の無知と愚かさに圧倒されるよ。横浜で発生した「朝鮮人放火す」の流言が「強盗す」「強姦す」と豹変し“朝鮮人来襲説”を事実だと思い込んだ警視庁が戒厳令(ロックダウンのようなもの)を出して、消防団や青年団や在郷軍人会が凶器を手に武装し自警団になり変わっていった事実が克明に描かれる。社会主義者の大杉栄や妻の伊藤野枝はこの時に連行され、憲兵隊の甘粕大尉とその部下たちに殺害された。野枝の28歳までの自由奔放な生きざまと仲間たちをつづった「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」(栗原康/岩波現代文庫)もタイトルからして圧巻。この閉塞を打ち破ってくれるよ。

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