差別主義者だった…知られざる名優ジョン・ウェインの実像

公開日: 更新日:

 全米に広がる反人種差別デモの影響が、名優ジョン・ウェイン(故人)にも及んでいる。カリフォルニア州オレンジ郡にある「ジョン・ウェイン空港」を改称し、空港内にあるウェインの銅像を撤去するよう求める声が、地元の民主党議員などから湧き起こっているのだ。

 背景にはウェインの差別的な言動がある。1971年にプレイボーイ誌の取材で「私は白人至上主義を信じている」「5世代、10世代前にそれらの人々(黒人)が奴隷だったことに何の罪悪感もない」と発言。反LGBT(性的少数者)、反先住民(インディアン)的な考えの差別主義者だったことも問題視されている。ちなみにこの空港は23年に建設され、79年にウェインを称えるため改名された。

 ジョン・ウェインは言うまでもなく西部劇の大スター。「駅馬車」(39年)などで先住民を相手にドンパチを繰り広げる姿に興奮した人は少なくないだろう。だが思想的には超保守で、今も「ハリウッドのタカ派」と呼ばれている。

「ウェインが活躍した時代の米国民は自分たちが先住民族を駆逐して米国という偉大な国家をつくったのだと信じていたのです。ウェインはそのアジテーターでした。当時はまだ米国が豊かな国で今のように貧富の差が激しくなかった。ウェインの言動は問題になりませんでした」(国際政治経済学者・浜田和幸氏)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲