著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<1>傘寿のアラーキー オーストリアの勲章受章秘話を語る

公開日: 更新日:

同級生・立花隆のうれしいスピーチ

 その年の9月、勲章伝達式がオーストリア大使館で行われ、約150人を招待したレセプションには担当編集者や仕事仲間が集まった。

「レセプションに普通は偉い人や有名人を呼ぶらしいけど、俺は偉い人より、年中一緒にやってるヤツを呼びたいって言って、招待状を出してもらった。そしたら、なんだよ~、いつもとおんなじメンバーだよ(笑い)」

 いつもと違ったのは、集まった面々がスーツや着物姿でおめかししていること。

「わが国の芸術に対する多大な貢献に感謝します」

 駐日大使から大統領の祝辞が読み上げられ、シックなタキシード姿でキメた荒木の首に賞牌がかけられた。伝達式に来日したウィーン芸術大学教授から歴代受章者の説明が続く。乾杯の音頭をとったのは、上野高校の同級生である立花隆氏。

「教授の説明によると、この勲章は、いわば、文化界のノーベル賞的なものなんですね。教授が紹介したメンバーは、それぞれの分野の、本当にすごい人たちです」

 噛み砕いた説明に、うなずく招待客たち。そして、「荒木の健康に、乾杯!」。大きな拍手が湧き起こった。

「立花が、どんなにすごい勲章かって説明してくれたんだ。あいつ、やっぱり、説明うまいな(笑い)。立花のおかげで男が上がったんだよね」

 大使の誕生日のお祝いと、みんなへの感謝を兼ねた2次会は六本木のバニーガールがいるバーで。大盛り上がりの一夜だった。

(構成=内田真由美)

【連載】天才アラーキー傘寿を語る

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  4. 4

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  5. 5

    “Snow Manの頭脳”阿部亮平は都立駒場高校から“独学”で上智大理工学部へ 気象予報士にも合格

  1. 6

    長嶋一茂が晒した「長嶋家タブー」の衝撃!ミスターとの“今生の別れ”、妹・三奈との根深い確執も赤裸々

  2. 7

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  3. 8

    パワハラ報道の橋本環奈"人気凋落"が春ドラマで鮮明に…一方で好感度上げたのは多部未華子

  4. 9

    貴乃花の次女・白河れい「事務所退所」…“親の力を借りない”妹と長男・花田優一の現在地

  5. 10

    父の死去で長嶋一茂は“天然キャラ”封印…KY発言に噛みつく「不謹慎警察」のエジキになる恐れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  2. 2

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  3. 3

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  4. 4

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  5. 5

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  1. 6

    中居正広問題のキーマン元編成幹部を“地雷”扱い…「大甘処分」を下したフジテレビの魂胆

  2. 7

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  3. 8

    「ルンバ」のアイロボット社に事業継続困難疑惑…代表執行役員社長が舞台裏を説明

  4. 9

    僕は宝塚シニアの3年時、全国大会初出場でPL学園からスカウトされた。後に阪神同期入団する二塁手は…

  5. 10

    永野芽郁の二股不倫疑惑で露呈した所属事務所のガバナンス不全…沢尻エリカ以来の大ピンチ!