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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<6>社員旅行で夫妻と午前3時まで飲み二日酔い

公開日: 更新日:

 新宿までタクシーで10分ほどの距離という条件も加味されて建てられた下落合の赤塚不二夫邸。新宿へは毎晩のように飲みに出かけ数々の伝説を残した。私の交遊時は体力的な衰えもあり、外出は控えめになっていた。

「○○の焼き鳥が食べたい」といった類いの食にはまったく関心はなく、懐石やフレンチに行っても、「なんでいっぺんに持ってこないの」という人で根っからの酒飲みだった。

 飲んで楽しく過ごすことで、仕事の英気を養っていた。「飲みながら漫画のギャグも浮かんだ」。アイデアも湧き、それは数々のイタズラにも生かされた。私の体験した例は……。

 頭、足、手、腕とそれぞれケガしたように包帯を巻いた我々4人。飛び込みでスナックに入って飲む。それだけで全員が包帯姿に店の人も他の客もびっくりさせるだけの単純なイタズラだ。飲んでいる最中に包帯している腕を動かしているのだからすぐにバレる。

 もっと単純なイタズラもあった。渋谷のスクランブル交差点に5人で信号待ち。先頭の1人が交差点先のビルの屋上あたりをふと見上げる。つられて4人も同じ方向を見上げる。すると、信号待ちの人たちのほとんどが「なに?」と不思議そうに見上げる。先頭の男は「明日も晴れるな」と言って信号を渡るオチ。

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