著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<5>漫画家に近隣 赤塚家は来客にやさしかった

公開日: 更新日:

 私が赤塚ファミリーの一員になった頃は、タモリ所ジョージ立川談志も超売れっ子。残念ながら赤塚家で合流することはなかったが、変わらず顔を出していたのが漫画家の諸先生方だった。トキワ荘仲間の藤子不二雄(A)氏から「あしたのジョー」のちばてつや氏といった大御所に加え、同じ漫画家でも異色の存在だったのが故・安達勉氏だった。

「赤塚門下生四天王」のひとり(他の3人は、高井研一郎氏、古谷三敏氏、北見けんいち氏)として、あだち勉の名前で漫画家としても活躍。漫画家を辞めた後は、弟で野球漫画「タッチ」の作者・あだち充氏のマネジャーを務めるなどしながらも、先生の元に来ては公私にわたりサポートしていた。

“公”の方では、先生が病気で漫画が描けない時期に「赤塚キャラクターの絵を描かせたら一番」という腕でサインなどのキャラクターをあだちさんが描くことも少なくなかった。“私”の部分は言わずもがな酒の相手。私もすぐに打ち解けた。

 そんな漫画家らに交じって赤塚家によく集まっていたのが、ご近所さんの面々。昼夜問わず油を売る電器屋の社長(赤塚家すべての電化製品から修理まで担当)。大手企業勤務のエリートサラリーマンは自分の家に帰らず、仕事帰りは赤塚宅にほぼ直行していた。「独身だから夕食代助かっちゃう。おまけにお酒まで飲ませてもらって」とは言っていたが、赤塚家にとって唯一無二の「真面目な秀才」と評される好人物だった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず