著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<7>「電通だったら遊んでられる」大学の先輩の誘いで入社

公開日: 更新日:

「アイツは面白いから」と、ある役員が入れてくれたらしい

 その頃の入社試験は、まだゆるかったからね、カメラマンは筆記試験とかもなかったんだよ。面接は、オレ、口うまいからさ(笑い)。実技は三つあって、一つは果物とかなんとかの形をした光りものがいっぱい置いてあって、それを構成して4×5(カメラ)で1枚撮る。4×5なんて学生時代に1回しか使ったことないからさ、試験についてくれた写真部のカメラマンに絞りとか手伝ってもらってね。試験で見るのは構成力と色彩だと思ったから、テクニックはなくても大丈夫だって思った。もう一つは、スタジオで女の顔をモノクロで撮るテスト。近づけるだけ近づいてアップで撮って、それで全部通した。

 三つ目の試験は、1時間銀座をブラブラ歩いて、フィルム1本撮って来いって。そういうのは得意技だからね。一回りしてくればいいんだから。街の写真だけど撮ったのは、ほとんど女ばかりだったね(笑い)。面接では全員が反対したらしいけど、一人だけ優秀な重役が、アイツは面白いから入れとけって言ってくれたらしいんだ。だから入れたんだって、後で聞いたけどね。

■おふくろは「なんで運送会社なんかに就職するのか」と

 おふくろはさ、「もう、なんで運送会社なんかに就職するの」って言うんだ。三ノ輪のうちの前の道路を“マル通”ってかいてあるマークのトラックが通っているのを見ているからさ。車の運転もできないのに、なんでノブは運送会社に入るのかって(笑い)。

(構成=内田真由美)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃