なぜ芸能界に「自殺」連鎖が…芸能リポーターが憂う“残像”

公開日: 更新日:

 今年は7月に、売れっ子俳優の三浦春馬さんが30歳の若さで自ら死を選んだ。9月には女優の芦名星さん(享年36)が春馬さんの後を追うように、亡くなった。同月20日には俳優の藤木孝さんが遺書を残し、80歳で自殺した。そして今度は竹内結子さん(享年40)である。

 もちろん、それぞれの事情や理由は別で、一緒くたに考察するのには無理があるだろうが、「あまりに突然の出来事で所属タレント、社員は驚きと悲しみで呆然としております」と、竹内さんの所属事務所もホームページに記したように、多くの芸能関係者は、この「自殺連鎖」におののき、戸惑っているのではないか。

 芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。

「確かなことは分かっていませんけれど、竹内さんの場合、仕事での問題はなかったように思います。CMもあり、順調そのもの。とはいえ、三浦春馬さんも、格好よく、真面目で、良いやつと誰もが認める存在でした。幸せそうに見えた竹内さんといい、なにか問題を抱えて思い悩んでいたとしても、それが全く見えてこない。それだけに余計、恐ろしくもあります」

 城下氏は芸能界の自殺連鎖について、こんな見方を示した。

「悩みも理由もそれぞれですけれど(自殺の)残像が今の芸能界に焼きつき、残ってしまっているのかも知れません。どうしようか、壁に当たったとき、どう乗り越えたらいいのか悩んだとき、だれかに相談したりするといった選択肢の中に自殺が入ってしまっている。そしてそれを選んでしまうような状況に(今の芸能界が)なっているのかも知れません」

 今年はコロナ禍により、自殺者数が増加傾向にあるというのは、芸能界に限らない。しかし、5月に自殺した女子プロレスラーでタレントの木村花さん(享年22)のように、フジテレビ系「テラスハウス」への出演でのやらせ強要疑惑や、SNSで誹謗中傷を受けたことが背景にあるなど、芸能人や著名人がネットで直接、矢面に立たされ、逃げ場がなくなっているという事情も大きいはずだ。

 芸能人の自殺連鎖。竹内結子さんがそこに加わってしまった衝撃が今、芸能界を超えて大きく波紋を広げている。

 ◇ ◇ ◇

【相談窓口】

■日本いのちの電話連盟

 ●ナビダイヤル 0570・783・556
  午前10:00~午後10:00

 ●フリーダイヤル 0120・783・556
  毎日:午後4:00~午後9:00
  毎月10日:午前8:00~翌日午前8:00

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋