withコロナ時代の中国エンタメ最前線<下>ルックスが急進化
中国映画・ドラマは「大きく作って大きく儲ける」というビジネスモデルが定番で、制作費は拡大傾向にある。コロナ後も変わるどころか、興行収入目標値も高まるばかりで、映画の場合、「大ヒット」は興行収入30億元(日本円換算で約480億円)以上が目安になっている。
これほどの興行収入を達成するには、中国人に幅広く受け入れられる内容であることが求められる。ハリウッド映画が「アメリカンヒーロー」を描くことを好むように、中国も「社会の英雄」「偉大な面」が描かれている映画がメガヒットしている。中国には、4000年の長い歴史と文化、近年の目覚ましい経済発展、科学、IT、軍事力の飛躍的な進歩、そして広い国土と人口13億超と偉大だが、半面、立ち遅れている部分も多く、大衆は「中国の明るい未来」が描かれた作品を求めている。そのため、名の売れた外国人起用よりも、中国人が主役の作品が増えているのだ。
■ウイグルなど少数民族は美人の宝庫
タレントのビジュアルも急激に良くなり、今では外国に頼らずとも自国で事足りるほど。北京電影学院、中央戯劇学院、上海戯劇学院などの名門芸術大学の約200倍の狭き門をくぐり抜けた逸材が続々。オーディション番組を通じて、スターが現れることもある。男性は、高身長化が進み、身長180センチ以上が当たり前。中国のBL(ボーイズラブ)歴史ドラマ「陳情令」に出演していた蕭戦(シャオ・ジャン=29)、王一博(ワン・イーボー=23)などが代表的で、韓国アイドルと比べても見劣りしない。女性は、陶器のような白い肌に手足が長く、人形のよう。そんな中国芸能界の美貌を牽引しているひとつに少数民族の存在もある。中でもウイグル族は大きな瞳、高い鼻の美形が多く、歌やダンスなどの芸術面にも優れている。第一線で活躍している、迪麗熱巴(ディルラバ=28)、古力娜扎(グーリー・ナーザー=28)らはウイグル族の代表格である。