「ヤクザの子」石井光太著
「ヤクザの子」石井光太著
暴力団構成員の子として生まれた人たちの半生を取材した聞き書き集。
1985年、晴子さんは山口組3次団体の構成員の子として横浜で生まれた。3歳のとき両親は離婚したが、母親は男にだらしなく、ネグレクト状態に。家には借金取りが押し寄せ、学校ではいじめに遭い、街を徘徊するようになり性被害まで受けてしまう。
中学1年のとき、母親が実父とよりを戻し、再び一緒に暮らし始める。実父は団体の組長になっていた。同居後、母親の言動がおかしくなり、晴子さんは部屋に転がっていた注射器から両親が覚醒剤を使用していることに気づく。父親は地元の覚醒剤の元締だったのだ。
ほかにも、ヤクザとソープ嬢の間に生まれ13歳から覚醒剤を常用する未知さんなど、14人がその壮絶な半生を語る。 (新潮社 781円)