著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

トミーズは幼なじみからの主従関係で健が雅にツッコめない

公開日: 更新日:

 そんな十番勝負で、思い切ってそれまでの雅君がツッコミ、健ちゃんがボケだった形を入れ替えた台本を作ったら大問題が……。幼なじみで、いつも雅君の言うことを健ちゃんが受け入れる主従関係がしみついていて、台本の読み合わせではツッコミのセリフを言えても、いざ稽古になると健ちゃんがツッコめないのです。

「弱すぎる!」「もっと早く!」「そこはゆっくり!」「イントネーションが違う!」と徹底的にツッコミ特訓。

 通し稽古は15分のネタをオチまで詰まることなく、間違えることなく最後までできるまでエンドレス。間違えれば、あと数行で終わるところまで進んでいても、また最初からやり直し、毎回ネタを一度通すのに2時間近くはかかりました。

 1回目の興行は新喜劇が終わると、ほとんどのお客さんが席を立ち、残ったお客さんは数えるほど。それが次第に「トミーズがおもろい」と口コミで広がり、7回目あたりからは新喜劇が終了後にお客さんが増えるという逆転現象が起こり、10回目は立ち見が出るまで集客できるようになっていました。その後、タイトルを変えながら15回の新作ネタ興行を経て、上岡龍太郎さんの「EXテレビ」(読売テレビ)で「今、日本で一番おもしろい漫才」としてCMを挟まず40分のネタを披露させていただきました。努力は報われるものだと実感したものです。

 これを機にトミーズは揺るぎない礎を築き、冠番組もでき、劇場でも欠かせない存在になっていきました。あの時の鬼気迫る2人の稽古姿は今でも忘れられません。

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