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本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

チャンバラトリオ山根伸介 巨人負けならラジオをゴミ箱に

公開日: 更新日:

 チャンバラトリオのメンバーは時々で代わりましたが2015年の引退までずっと“リーダー”を務められた山根伸介師匠。解散から数カ月後に逝去され、死ぬまで芸人を貫いたひとりです。夫婦漫才の宮川大助・花子の花子さんの師匠でもありました。

 この山根師匠「熱狂的」巨人ファンとして、球場観戦中もピンチ、チャンスになるとフェンスにしがみついて声をからして声援を送り、あの甲子園球場の阪神ファンにも一目置かれる存在でした。師匠の“ジャイアンツ愛”は吉本では伝説でした。

 スマホのない1960~90年代、仕事でテレビ観戦できない移動中はラジオのイヤホンを片時も離さず、巨人が試合に負けると「こんな縁起の悪いラジオは聞かれへん!」とそのままゴミ箱へ。

 ご自宅でテレビ観戦される時はテレビの正面に正座され、攻撃中は座布団をホームベースに見立てて、上には座らず、「このホームへかえってきなさい」と体の前に座布団を置き、神棚のお灯明のローソクをつけ、部屋の窓を開け放し、声をからして声援。巨人が守備にまわると一転、窓を閉め、神棚のお灯明を消し、ホームベースの座布団の端が出ないよう折りたたんでその上に座り、完全に“ブロック”してホームを死守。これを攻守が交代するごとに試合終了まで続け、勝てば神棚を拝みながら感涙にむせび、負ければ自身の応援が至らなかったと一身に敗戦の責任を背負い、それはそれは凄まじい執念でした。

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