著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

男女コンビの新星!蛙亭は「純文学のようなネタ」が持ち味

公開日: 更新日:

 単独ライブを行うときにも、岩倉は中野に当日までネタの内容を伝えず、直前になってから一気に覚えさせる。そうやって中野を追い詰めた方が、いい演技を見せてくれるのだという。

■唯一無二の芸風で存在感

 蛙亭のネタに共通するテーマは「せつなさ」である。不条理さを感じさせる設定の中で、追い詰められたり必死になったりする人間の言葉で表せないようなせつなさが描かれる。

 ネタの中にはちょっとした下ネタが混ざっていることもあるが、それらは奇をてらうためではなく、あくまでもせつなさをかもし出すための素材として用いられている。コントでありながら純文学のような味わいが残るその芸風は唯一無二のものだ。

 すでに業界内では注目されていて、お笑い番組でネタを披露する機会も多い。昨年東京に出てきた2人にとって唯一の誤算は、ちょうどそのタイミングでコロナ騒動が起こってしまい、お笑い界が大打撃を受けたことだ。

 蛙亭は、個性豊かな男女コンビの中でも、磨けば光る才能を秘めた注目株である。コロナが落ち着く頃には頭角を現しているだろう。 

【連載】2021新春「笑」芸人解体新書

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々