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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

眼の奥に心が潜んでいる。目を避けるヤツは信用ならない。

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 俳優の人相、眼の奥にあるもの(役柄のもと)を見破ってキャスティングし、それをあぶり出すのが仕事だが、役を決める時はいつも悩んでしまう。その俳優がほんとに(無理に芝居をしなくても)その奥にあるものを吐き出せるかどうかと。

 今、世界の独裁者の眼には“性悪さ”が見え透いている。いくら笑みをつくってもバレている。ソ連崩壊後のベラルーシを意のまま牛耳ってきた、6選目のルカシェンコ大統領も見るからに「支配欲」にとりつかれた眼だ。先日も恐ろしい命令を下した。当局が戦闘機を発進させ、リトアニア行きの旅客機を自国のミンスク空港に強制着陸させ、乗っていた反体制派メディアの若いジャーナリストを捕まえた。国外で活動してた彼は、連行される前に機内で怯えながら「死刑にされる」ともらしたとか。ゾッとさせられる。デモ鎮圧、メディア弾圧を平気でやる独裁者の眼は冷たい。俳優もそんな眼はなかなか演じられない。トム・クルーズの眼じゃ無理か。2月にクーデターを起こして市民800人以上も殺しているミャンマー国軍のミン最高司令官も眼は気味悪く、顔をアップで見るとかなり悪人面だ。比べて、アウン・サン・スー・チー女史は睨まれたネズミの眼、か弱い人相だ。

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